公益財団法人 宮城県結核予防会

各種予防接種のご案内
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予防接種のご案内

当法人では、2つの施設(複十字健診センター、健康相談所 興生館)で予防接種を実施しております。
なお、海外渡航ワクチン接種も実施しておりますので、ご希望される方は下記までお問い合わせください。

複十字健診センター 連絡先 022-719-5161(事務室)

健康相談所興生館  連絡先 022-221-4461(事務室)

※予約、お問い合わせは9:00~12:00、13:00~16:30にお願いいたします。

実施種類(事前予約制 )各種ワクチンは、メーカーによる出荷調整等により入手困難となる場合があります。
BCG
インフルエンザ
肺炎球菌
おたふくかぜ
水痘
帯状疱疹予防ワクチン(シングリックス)
MR
A型肝炎
B型肝炎
破傷風
狂犬病(暴露前のみ)
ポリオ(不活化ワクチン)
髄膜炎菌(4価結合体)
DPT
日本脳炎


 月曜日~金曜日(時間帯は予約時に確認願います)

 ・BCG以外の予防接種は、概ね16歳以上が対象となります。
 ・ワクチン同時接種や英文証明書の発行も可能です。


予防接種について

生ワクチン

生ワクチンとは?・・・病原性を弱めたウィルスや細菌等をワクチンにしたもの。接種間隔は27日以上です。

    ワクチン 対象者 接種回数
麻疹 乾燥弱毒生麻疹ワクチン
または乾燥弱毒生麻疹風疹
混合ワクチン(MR)
(1期)
生後12月から生後24月に至るまでの間にある者
1回
(2期)
5歳以上7歳未満の者であって、小学校就学の始期に達する日の1年前の日から当該始期に達する日の前日までの間にある者
1回
任意接種 1回
風疹 乾燥弱毒生風疹ワクチン
または乾燥弱毒生麻疹風疹
混合ワクチン(MR)
(1期)
生後12月から生後24月に至るまでの間にある者
1回
(2期)
5歳以上7歳未満の者であって、小学校就学の始期に達する日の1年前の日から当該始期に達する日の前日までの間にある者
1回
任意接種 1回
BCG BCGワクチン ・生後1歳未満
・地理的条件、交通事情、災害の発生その他の特別な事情によりやむを得ないと認められる場合においては、4歳未満
1回

不活化ワクチン・トキソイド

不活化ワクチンとは?・・・大量に培養されたウィルスや細菌等を精製して加熱やホルマリン処理し、病原体を失活させ不活化したもの。接種間隔は6日以上です。

  接種回数 有効期間 接種間隔
1回目と2回目 2回目と3回目
A型肝炎 3回 3~5年 2~4週 6ヶ月
B型肝炎 3回 3~5年 4週 6ヶ月
日本脳炎 3回 4~5年 1~4週 1年
破傷風 3回 10年 3~8週 6~18ヶ月

接種間隔

接種不適当者・接種要注意者とは?

接種不適当者

接種不適当者とは、以下の理由により接種を受けることが適当でないため、接種が行えない人をいいます。

1.明らかな発熱を呈している者
・明らかな発熱を呈している者とは・・・?
明らかな発熱とは通常37.5℃以上をあらわします。
2.重篤な急性疾患にかかっていることが明らかな者
・重篤な急性疾患とは・・・?
急性疾患にかかっている場合、重篤と判断される場合は病気の程度の状況によりますが、接種を行うことはできません。ただし、軽症と判断される場合には接種を行うことができます。
3.接種液の成分によってアナフィラキシーを呈したことが明らかな者
・アナフィラキシーとは・・・?
急激なアレルギー反応により短時間のうちにショックに似た症状(じんましん・呼吸困難・低血圧・口腔や咽頭粘膜のはれなど)を起こすものをアナフィラキシー症状といい、主にアレルギー体質で起こりやすいとされています。
4.急性灰白髄炎(ポリオ)、麻疹及び風疹にあたっては、妊娠していることが明らかな者
・妊娠中のワクチン接種について
一般に生ワクチンは胎児への影響を考慮し原則として行いません。海外渡航などやむを得ない場合は医師との相談の上妊娠3ヶ月以後に接種します。風疹ワクチンに関しては絶対に妊娠していない時を選んで接種し、 接種後2ヶ月は避妊が必要です。 また不活化ワクチン、トキソイドの接種は、胎児に影響を与えるとは考えられていませんが、全体的に安全性が確認されてないものが多いので妊娠中の予防接種はなるべく避けるべきと思われます。なお、授乳に関しては、生ワクチン・不活化ワクチンともに乳児に影響を与えないとされています。生ワクチンで特に風疹ワクチンウイルスは乳汁中に分泌され乳児に移行することがありますが、乳児の免疫に影響を与えるにはいたりません。
5.その他、予防接種を行うことが不適当な状態にある者

接種要注意者

接種要注意者とは体質・その他でワクチンを接種するにあたって十分な注意を払う必要のある人をいいます。

1.心臓血管系疾患、腎臓疾患、肝臓疾患、血液疾患及び発育障害等の基礎疾患を有することが明らかな者
これらの基礎疾患にかかっている場合、体の免疫機能が弱まっていたり、免疫に影響を与える薬が使われている場合があり、ワクチンを接種することで本来の病気が悪化する可能性があるため注意が必要です。
2.前回の予防接種で2日以内に発熱の見られた者、又は全身性発疹などのアレルギーを疑う症状を呈したことがある者アレルギーの病気を持つ人が予防接種を受ける場合、ワクチンの副反応が強く出ることがあり慎重に接種をする必要があります。
3.過去にけいれんの既往がある者
過去にけいれんを起こしたことのある人は、ときに異常な副反応をあらわすことがあるので注意が必要です。乳幼児期に起きる良性の熱性けいれんと、てんかんへと移行するものがあります。このような人が予防接種を受けるときは、けいれんを起こしてからどのくらいの期間発作が起きていないか、また予防接種の必要性や副反応の程度などを考慮する必要があります。
4.過去に免疫不全の診断がなされている者
免疫不全のある人は病気に対する抵抗力が弱まっていて、生ワクチンの接種では異常な反応があらわれる可能性があり接種を避けることがあります。しかし免疫が十分保たれている状態では、感染予防のため接種を行うこともあります。
5.接種しようとする接種液の成分に対してアレルギーを呈する恐れのある者
接種液中の成分に対してアナフィラキシー反応を起こしたことのある人には注意が必要です。卵・抗生物質(エリスロマイシン・カナマイシン)ゼラチン・チメロサール(保存剤)に過敏症のある人はこれらの成分を含有するワクチンの接種は不適とされています。

予防接種の対象となる
感染症について

(感染経路と症状)

破傷風
●感染経路
破傷風菌は土壌中に広く分布します。切り傷や、やけどなどの傷口からヒトの体内に侵入し、体内で増加、毒素を産生します。
●症状
1~60日の潜伏期の後、口唇や手足のしびれ、味覚異常が初期に認められ、その後口が開かなくなったり、全身性のけいれん等が起こるなどの神経症状が起こります。致命率の高い感染症です。なお、S43年以前までは破傷風が含まれていない二種混合ワクチンが使用されていました。そのため、S43年以前に生まれた方は破傷風に対する免疫ができていませんので、特に海外渡航の際には接種をお勧めします。
ジフテリア
●感染経路
ジフテリア菌の感染によって起こります。保菌者の鼻、咽頭の粘膜、及び皮膚などの病巣からの分泌物や排泄物などと接触することにより起こります。
●症状
1~7日の潜伏期の後発症します。乳児では鼻腔、それ以上では咽頭ジフテリアが多いとされています。

咽頭ジフテリア:幼児などがかかりやすく、一番多い病型といわれています。発熱、嘔吐、頭痛、咳と咽頭ジフテリアの特徴といえる嗄声や犬吠様の咳がみられます。

鼻ジフテリア:乳児に多く、鼻炎とともに鼻汁に血液が混じります。
百日せき
●感染経路
百日せき菌の感染による呼吸器症状を主とした感染症で保菌者のせきやくしゃみを介して感染することにより起こります。
●症状
7~10日の潜伏期の後、普通の風邪のような症状が続いた後、咳がひどくなり、激しいせきを連続した発作を起こすようになります。激しい発作は特に夜間に起こりやすいのが特徴で、咳の後で急に息を吸うので、笛の音のような吸気音がします。乳児期にかかると、発作で呼吸ができず、チアノーゼやけいれんを起こすことがあります。また脳症をおこし、重い後遺症を起こすこともあります。
日本脳炎
●感染経路

肺がんCT検診
Photo1.
日本脳炎ウイルスX174000
資料提供:化血研

日本脳炎ウイルスの感染によって起こります。ヒトからヒトへ感染するのではなく、ウイルスを保有した蚊が媒介となって感染します。ウイルスはまず、飼育されているブタが感染するとその体内でウイルスが増殖し、これをコガタアカイエカなどの蚊が吸血することによってウイルスを保有します。このウイルスを持った蚊がヒトを刺し、その結果ヒトが感染します。

●症状
7~10日の潜伏期間の後、高熱・頭痛・嘔吐・意識障害・けいれんなどを主症状とする急性脳炎を起こします。
脳炎を発症するのは、感染者のうち1.000人~5.000人に1人とされていますがその他に、無菌性髄膜炎や不顕感染(感染しても発病せず自然と免疫ができる)で終わる人もいます。わが国での発生は西日本地域が中心で最近では毎年10人程度が発症しています。好発年齢は60才を中心とした成人と5才未満の幼児です。現在では予防接種の普及により、好発年齢である小児、学童が予防接種対象年齢であるため発症は見られなくなりました。

麻疹(はしか)
●感染経路
麻疹ウイルスの飛沫感染(咳やくしゃみなどのしぶきが空気中へ飛散して人に感染する)によって起こります。免疫がないとほぼ全員が発病します。
●症状
約10日間の潜伏期の後発症します。発熱、咳、鼻汁、めやに、発疹を主症状とし、最初は風邪のような症状から、39~40℃の高熱とはしか特有のコプリック斑とよばれる斑点がほほの内側に出現します。その後一度熱が下がりますが、再び39~40℃の発熱が起こり、発疹が全身に現れます。発疹は5~6日で消失しますが、しばらく色素沈着が残ります。麻疹に感染すると、免疫機能が低下することにより感染症にもかかりやすく、ときに肺炎・中耳炎・気管支炎・脳炎などの合併症を併発することがあります。また、亜急性硬化性全脳炎(SSPE)という乳幼児期に麻疹に罹患して治っても、ウイルスが体の中に残っていて数年後に発病するという合併症もあります。麻疹ワクチンは効果も高く、ほとんどの人に免疫がつきます。接種を受けることが望まれます。
風しん(三日はしか)
●感染経路
風疹ウイルスによる感染症です。感染者の喉や鼻の分泌物中からウイルスが排出され感染し、殆どが飛沫感染によるものです。
●症状
潜伏期間は2~3週間、発疹、発熱、リンパ節の腫れ、全身のだるさや関節の痛みなどが主症状です。発疹も熱も三日ほどでおさまることから「三日はしか」と呼ばれ予後も良好ですが、成人になってからかかると重傷になりやすいとされています。合併症として関節痛(成人女性の70%)、血小板減少性紫斑病(3.000人に1人、子供に多い)脳炎(6.000人に1人、成人女性に起こりやすい)などが報告されています。また、風疹は先天性異常の恐れがある病気で妊婦が妊娠初期にかかるとウイルスが胎盤を通って胎児へ感染し眼・耳・心臓などに障害をもたらす先天性風疹症候群(CRS)と呼ばれる病気を持つ子供が生まれる可能性が高くなります。そのため女性がワクチンを接種するときは絶対妊娠していない時期を選んで接種し、その後2ヶ月間は避妊します。
結核
●感染経路

肺がんCT検診
Photo2.
肺胞中の結核菌資料提供
:結核研究所

結核菌を吸い込むことで起こる飛沫感染です。体の抵抗力が弱くなったときに発病しやすくなります。
菌を吸い込んでも発病するのは10人に2人程度で、感染したすべての人が発病するわけではありません。
主に若い人や子供にみられる初感染発病と、高齢者に多く見られる既感染発病があります。初感染発病は感染してから半年~2年くらいと比較的ゆっくりと病気が進みます。既感染発病は感染してから10年20年と長い間肺の中で眠っていた結核菌が、老化や体の抵抗力が衰えたときに目を覚まして活動を始め、発症します。
●症状
咳、痰、微熱、だるさなど、風邪の症状ではじまり、病状が進むと痰の中に結核菌が排出されます。このような患者が咳やくしゃみをすると、空気中に結核菌が飛散し,人から人へとうつります。
インフルエンザ
●感染経路

肺がんCT検診
Photo3.
A型インフルエンザ
ウイルスX174000
資料提供:化血研)

インフルエンザウイルスの感染により起こります。罹患率では5~14歳が最も多く、死亡率は高齢者層で多くなっています。
インフルエンザの型には、Aソ連型(H1N1)A香港型(H3N2)B型があります。一般的に、A型は流行速度が早いため大きな流行になることが多いとされており、これらの型が2~3種類が混在したり、それぞれが毎年少しずつ変異しながら流行しています。
2006年度のワクチン株には、A型ではニューカレドニア/20/99(ソ連型)株・広島/52/2005(香港)株が、B型/マレーシア/2506/2004株が採用されています。
●症状
1~2日の潜伏期の後、急激な発熱から鼻水、咳が出て、咽頭痛や関節痛、その他下痢、嘔吐などの消化器症状を伴うこともあります。合併症として、肺炎、気管支炎、心筋炎などがあります。
A型肝炎
●感染経路

肺がんCT検診
Photo4.
A型肝炎ウイルスX130000
資料提供:化血研

A型肝炎ウイルスによる経口感染(汚染された食べ物や、飲み物を介しての感染)です。
●症状
約4週間の潜伏期の後、発症します。ウイルスは主として肝臓で増殖し、急性肝炎を主症状とします。小児では不顕感染や発症しても軽症で終わることが多いのですが、成人ではほとんどが発症し、38℃以上の発熱、全身倦怠、下痢、黄疸の症状が現れます。合併症として劇症肝炎、急性腎不全を引き起こすことがあります。わが国では現在、40歳以下の若年層でA型肝炎に対する免疫をほとんど持っていないため、海外渡航の際には予防接種を受けることが望まれます。
B型肝炎
●感染経路

肺がんCT検診
Photo6.
B型肝炎ウイルスX100000
資料提供:化血研

B型肝炎ウイルスは主に、B型肝炎ウイルス保有者(キャリア)の血液や体液を介して感染します。医療従事者による針刺し事故や、輸血、性行為感染など血液を介して感染する水平感染と、キャリアの母親から子供へと感染する垂直感染が上げられます。感染したうち、大部分は不顕性感染で症状が現れないまま治癒しますが、20%~30%は急性肝炎として発病します。急性肝炎の約2%が劇症肝炎となります。
●症状
持続性感染
ほとんどの場合が新生児期から乳幼児期の感染で、特に大きな症状が現れることなく生涯を過ごしますが、ごく一部で肝炎を起こし、その一部が慢性肝炎・肝硬変・肝がんへと移行します
一過性感染
病状が現れることのない不顕性感染と、1.8~6ヶ月の潜伏期間を経た後、全身倦怠食欲不振といった症状が続き、その後肝機能の変化が現れる経過をたどるものがあります。たいていの人は約1~2ヶ月で自然治癒しますが、少数では重症化したり劇症肝炎へと移行します。

参考資料

1)堺 春美:「新・予防接種のすべて」.診断と治療社,1997.
2)臨床と薬物治療1999年1月号
3)厚生労働省ホームページ:「海外渡航のための予防接種」
  http://www.forth.go.jp/useful/vaccination.html
4)仙台検疫所ホームページ:
  http://www.forth.go.jp/keneki/sendai/
5)岡部信彦、多屋馨子:「予防接種に関するQ&A集」.社団法人細菌製剤協会,2002.
6)小林典子:「結核?!でも心配しないで」.財団法人結核予防会,平成12年
7)厚生省:「予防接種と子供の健康」.財団法人予防接種リサーチセンター,1996.
8)予防接種法令研究会編:「予防接種ハンドブック・改訂第9版」.日本医事新報社,2002.   
9)感染症対策研究会監修:「感染症シリーズ・B型肝炎の知識とその予防」.

資料提供

ホームページ中の走査電子顕微鏡写真は、化血研;(財)化学及血清療法研究所、および、(財)結核予防会結核研究所よりご提供頂きました。心より御礼申し上げます。
(平成18年11月)

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